垂直的な危機は一見困難なようで、解決可能である。真に問題の野は水平的な危機である。垂直的なものはすぐに目につくが、水平的なものはゆっくりと全体を侵食する。水平的なものは擬態で侵入し、潜伏する。木を隠すには森に隠せ。
垂直的なもの:天才、塔、言語、否定、ペニス、『ダイ・ハ−ド』、家族、オイディプス、二人の男と一人の女
水平的なもの:凡人、存在、肯定、循環、『スピ−ド』、社会、アンティ・オイディプス、三人の男と一人の女、四位一体
天才的な武術家がいたとする。このものには誰も勝てない。一方で、百人の凡才はこのものを倒すだろう。
首相を暗殺しても国家は残る。天皇を殺しても天皇制は消えない。真のテロリズムは無名の国民をこそ滅ぼさねばならない。水平の瞳を持つ羊達を屠殺せねばならない。全体を一度にほろぼさなけれなならない(核がそうするように)。この事は、逆説的にテロリズムの限界を示している。
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