私は今日腕を失うのだろうか
分解されている
見つめられている
さらされている
分断されている
肛門が
貨幣が
機能が
ねこの尻尾のように何本にも分かたれている
包囲されている
約束されている
家に帰るとポストに梅干しとＣＤと手紙がある
包囲されている
約束されている
鍵を失った友人が家に入れなくて苦しんでいる
単車で転倒した青年が露出した肉体で苦しんでいる
散逸したビデオテープが二度も見えかけて信号を発している
さらされている
さらされている
アルコールの中で夢のように過ぎ去っていった快楽が請求書を送り付けてくる
触れ合った白人の手が武術家のものである事を直感する
低気圧が接近している
不安が近づいてくる
奇跡の相反の予感が経済の前で震えている
私を動かしているのは
純粋な信仰心と
復讐心
この二つだけだ。
誰に、と問われれば、
忘れてしまった、と答えるほかにない。
思い出せないのだ。
だから
私は
名前のないものを殺すほかにない。