魂? それはしっぽ! お母さんとは臍の緒、お父さんとはしっぽ。魂はスカさないと語れない(ベタなネタだから)、それは魂が外部だから。魂は言語だから。そこにあるのに、あると言うことが禁じられている、経済内的に無きものとして語られる、失敗のようなもの。現在存在しないが、現実に存在するもの。そのような、圧倒的な内的なもの(という嘘の普遍)に向かって走る言葉。
 魂? それはうんこ! 人糞製造器から捻り出された奇跡的な結末。お父さんのちんぽを見て娘はうんこだと言うかもしれない。しっぽだというかもしれない。うんこは外部にあって、経済の内部では、このイマジナシオンの世界では、あっという間に水に流される。凄い勢いで流される(流しながらする人もいる。和式便器で流しながらすると、うんこがたちまち過ぎ去っていくのが眺められて楽しい、)。
 魂? それは盗まれたもの! 交換局を流れる電気信号。郵便配達夫が盗み見た手紙。世界の始めに書き付けられた言葉のなれの果て。遠く瞬く星のように、そこに見えながら手が届かず、何万年もかけて届くもの。死にかけた創造者の断末魔の叫び。常に手後れになる何者かの死の残響。世界の始まりから盗み去られたもの。
 魂? それはかつてあったけれど、今ここにはないもの! 鏡の中にさえ映らない盗まれたしっぽ!


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