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東京篇1


雑居ビル

 新宿新南口付近の雑居ビル。おおよそ10階建てだ。当たり前のような顔をしてエレベータに乗り込み、最上階のボタンを押すも、反応がない。最上階へは行けないようだ。仕方なく一つ下の階へ向かう。扉が開いてすぐに某消費者金融の事務所が。ガラスの扉からこっちが丸見えで、ちょっと分が悪い。さらに一階下におり、その階から非常階段に侵入した。
 屋上突入のポイントは、最上階への直行にこだわらないことだ。途中階や下の方からの方が非常階段に入りやすいことが多い。疲れるけど。
 意外とあっさり屋上に出られたが、ただエアコンの室外機が並んでいるだけで殺風景きわまりない。屋上解放とか言ってみて、すがすがしいパラダイスに向かったつもりなのに、全然開放感がない。現実は厳しい。仕方なく非常階段を下りていくと、隣のビルの屋上がすぐ横まで迫っているのに気づく。勇気あるルポライターならさらに隣の屋上に跳躍するところだろうが、生憎小心者なので写真だけ撮って降りる。


8階から非常階段へ


屋上手前から眼下を見下ろす。新宿新南口駅前


屋上からの風景。全然爽快じゃない!


屋上の様子。エアコンの室外機だけ


隣のビルに飛び移れそう



新宿新南口付近

 さらに20階建て程の小綺麗なビルに侵入。ここは最上階のレコード屋から非常階段へ侵入成功。ただし非常用のプラスチック板を押し込んで無理矢理出たので、センサーが付いていれば管理人に知られる恐れがある。ここの屋上はイベントなどでも使用されるらしく、簡易ステージが誂えてある。広々として良い屋上だったが、危険を避けて速攻で非常階段から脱出した。しかし途中で管理人らしき人物に思いっきり見つかってしまった。当初はランドスケープのカメラマンのフリをしてごまかす予定だったのだが、私の手にしていたのは実家からパクってきたショボい2眼レフで、どう見てもプロのカメラマンには見えない。こういう時は必殺のセリフだ。
「あの、奉仕活動で皆様の健康と幸福をお祈りさせていただいているのですが・・・」
 私は以前にも、不法侵入発覚のピンチをこの作戦で切り抜けたことがある。しかしマンションでもないビルでこれはかなり苦しい。しかも手にはカメラ。さりげなく写そうとするレンズも遮られる。よもや通報かと思われたが、ひたすら宗教兄ちゃんのフリを続ける内に、面倒になったのか解放してくれた。やはり強行突破は危険だ。つーか、もうちょっとマシな言い訳考えときゃ良かった。


最上階の屋上への階段。進入禁止の立て札が


屋上の扉。一応鍵にカバーがかかっている


屋上


警備員を強行撮影しようとして阻止されるの図



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