okujo kaiho 1999


 屋上解放は、ブルースマン荒木瑞穂の提唱した運動だ。
 荒木氏自身は、「種を蒔く」ことに専心し、もう率先して具体的な行動をとるつもりはないらしい。
 荒木氏も私も「運動家」ではないし、行動主義的な意味での屋上解放を説いている訳ではない。
 残響通信14号で、私は屋上解放についてのテクストを書いた。荒木氏との対話の中から、自分の思想的背景とあわせて、屋上解放の本質を抽出しようとしたものだ。屋上解放の何たるかについて興味があれば、まずこのテクストを参照されたい。
 私にとっての屋上解放とは、「暫定性一般」から「きんじハウス」を巡る論考「ラクユーのとなり」についての考察などへと連なる、外部と過去についての思想の一項である。これらは具体的な運動をまさに周縁ギリギリから覗くことで、思弁が血肉を得、テクストとして定着したものだ。
 また、『あぶない28号』第5巻(データハウス、99年9月1日発売)にて、これを実践と写真によりヴィジュアラアイズし、テクストとかけあわせる機会を与えられた。今回ここに掲載するのは、この企画の為に撮られた写真群である。この中には実際の企画で採用されたものもされなかったものも含まれている。また新たに書き下ろされた屋上解放論については、本誌を参照されたい。
 高桑和巳による「状況構築マニュアル」では、このテクストのリライトが正確に引用され、素晴らしい理論的展開がなされている。あわせて参照されたい。

 以下のテクスト及び写真は、ルポルタージュ風の応用を試みたものであり、理論面については上の諸テクストに準拠されたい。

東京篇1 東京篇2 大阪篇 京都篇1 京都篇2



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